制服少女たちの選択―After 10 Years (朝日文庫)



制服少女たちの選択―After 10 Years (朝日文庫)
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カリスマでも革命家でもなく、彼は学者であり

社会学者宮台真司の代名詞ともいえる「ブルセラ論争」の発端となった本の文庫版。
彼の社会学の専門は予期理論だが、それは要するにある危機を予見して、それを無力化するためにあらかじめどのように自分たちを形成しているかという観点からある集団を分析する手法だ。だから彼のやっているのは、新人類やオタクという集団が、どのように
危機を「予期していたか」という「過去」を分析しているだけであり、彼自身が予期や予言をしているわけではない。
だから、ブルセラや援助交際をやって楽しんでいる少女が10年後にはそのツケが回ってきて不幸な人生を送ることになる、ということまでかつての彼は「予期」できなかったのである。そもそも道徳は何も無効化したわけではない。今も依然として「体を売ってはいけません」という道徳観は立派にあるではないか。

この人はたしかに天才かもしれない。
だが頭のいいヤツ、天才の導き出した答えが必ずしも正しいわけではないということもまた真である。この「ブルセラ論争」はその典型的な例となるだろう。

文庫版なので文庫ならではの話題を少々。
後半に収録されている圓田浩二との対談がおもしろい。前半はつまらないが対談の終盤で聞き手(誰だかは知らない)が、突如として宮台に「お前が10年前にやってたことは全部間違ってたんじゃね?」(実際はもっとオブラートに包んで)という詰問を連発してくるのだ。 著者が「宮台真司」となっているこの本の中で彼自身が、過去をめぐって(まるで今話題のロス疑惑のごとく)審問されるというこの文庫版ならではの構造はスリリング。だから星は3まで格上げ。

もう一つ、文庫版には「かつての」盟友中森明夫が解説を寄せている。彼はブルセラ以降に、天皇とか言い出した宮台の「転向」をやんわりと批判しながらも、最終的には結婚した彼を祝福して、「彼は『360度の転向』を果たした」というよくわからん迷言でまとめている。
中森はまた、三浦展が『下流社会』の中で宮台の結婚を相手の家柄や階層にひかれてしたことだと邪推していると批判しているが、この批判こそが的外れだろう。
彼は相手と「セックスの相性がすごくよかったから」宮台が結婚したかもしれない、と反論しているが(これもアホらしい反論だが)、そもそも「セックスの相性」のような価値観をまっさきに退けて、階級や共同体内にいる人間をシステマティックに分析するのが社会学の真骨頂ではなかったか。また『下流社会』の該当箇所だと思われる部分を読み返してみたが、三浦はなにも邪推しているわけではなく、同じ階層でないと結婚できないという統計学上の見解の例として宮台の結婚を挙げているのだ。
たとえ「セックスの相性がすごくよかった」としても、それも階層の問題かもしれないし。

しかしそれでもやはり、「あの宮台」が結婚してはまずいだろう。
彼はもうかつての輝きを失った。カリスマ社会学者としての宮台はもういないのだ。
そのことをいいかげん認めようよ、中森さん。

バブル世代には何が起こるのか?

 娘を持つ父親という立場で本書を読んだ。本来そういう読み方は 社会学の著作である本書に対して正しいアプローチではないと考える。但し 本の読み方も 読み手の自由である。

 その立場で本書を読むと 宮台が指摘している「父親が『確か』な存在ではありえなくなってきている」という点は 正直笑えない。

 ここで宮台が指摘している父親とは 本書が書かれた1993年頃に 高校生の娘を持つ父親であり言わば団塊の世代である。つまり 2007年現在 ちょうど定年を迎える世代にあたる。

 それに対して僕らの世代は ひと回り以上若い。当然ながら 団塊世代とは違った時代と文化を経てきている。おそらく 簡単に表現するならバブル世代ということかと思う。このバブル世代の「親」というものがどういう姿になっているのか。吾ながらそれを考え込んでいるところだ。

 「バブル世代」とは「バブルの光と影」の両方を経験してきたということなのだと思う。その意味で必ずしも「贅沢な世代」ではないのかもしれない。先日「バブルにGO」という映画も見たが 既に バブル世代は「笑い話」にされる程 客観視されているのも確かだ。

 但し そんな文化は おそらく僕らの想像以上に 僕らの内面に影響を与えているはずだ。それが何なのかをちょっと考えているところだ。

 10年を経て 本書が文庫化され 僕が読む機会を得ている意味としては そんな 自己問答である。もとより大変個人的な話なのだが。

 

 

内容は古いけれども・・・

宮台氏にとっても、日本の社会学史にとっても重要な著作だと思います。
取り扱っている内容は「ブルセラ」「援助交際」etcと、ちょっと時代を感じさせます。

しかし、だからこそ、
1990年代という時代の雰囲気を知るにはもっとも適切な書物だとも言えます。
宮台ファンのひとも、そうでないひとも、是非読んで欲しい一冊です。
宮台は素朴な現場主義をこの本で批判しておきながら

この本では素朴な現場主義に徹してしまっています。ですから自己矛盾しています。
しかし宮台的には「あえて」やったそうです。そしたらウザイ奴等(宮台信者)が憑いてきた。人格5類系の素朴なマンガ絵がウケました。



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